Rose Diary

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“東京物語”('53)

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笠 智衆演じる周吾と東山 千榮子演じるとみの2人が尾道から、息子や娘の住む東京へ赴く話が、この映画の内容です。東京を彷徨う周吾ととみの姿には、どこか哀愁が漂っているように感じられます。周吾ととみが尾道へ帰った後で、とみが危篤で倒れます。息子や娘たちがとみのために尾道へ集います。そして、息を引き取って亡くなるとみ。最後の方で、原 節子演じる紀子が周吾に言う台詞は非常に私の印象に残りました。私も時折そういったことを、心の中で思います。「私、ズルいんです。(…)どこか心の片隅で、何かを待っているんです。」

 

私は、小津 安二郎の監督の映画は、今作で初めて観ました。低い落ち着いた位置でのカメラ・ワーク、Aki Kaurismäki監督の映画を思わせる人情味溢れる人間劇(Aki Kaurismäki監督も、小津 安二郎の映画から、何らかの影響を受けているのだろうと思います)。日本人の監督ならではの、風情や情緒に満ちている映画が、小津 安二郎の映画なんでしょうね。